福岡市西区の塾より「暗記数学」
2020/07/16
私は大学受験の動向を知る参考に、
「蛍雪時代」を購読しています。
この「蛍雪時代」には
多くの参考になる記事が掲載されているのですが、
「合格体験記」などは残念に思うことがあります。
その理由は「難関大学合格者」が中心となっているため、
どれも「自分は出来る」というプチ自慢が入っていたり、
ありきたりのことしか述べられていないことにあります。
贅沢を言うようですが、
一人一つでも良いので、
「なるほど」
と参考にしたくなるようなことを書いて欲しいものです。
また、8月号には、
「数学は暗記で攻略できるとは思わない方がいいでしょう」
と書かれたコラムがありました。
「数学において暗記は非効率の学習法」
「暗記を超えた数学の回路を構築する」
と述べられているとともに、
「定理が証明できるようになると、捻った問題にも応用できる」
「全ての知識をインプットした状態で問題を解くことが重要」
とも述べられていました。
私の読解力不足のせいなのか、
何を言っているのか分かりません。
「定理の証明」や「知識のインプット」などは
暗記を前提にしたものではないのでしょうか?
そもそも受験における「数学的センス」とは
「基礎知識をどのように結びつけるかの思考様式」のことだと思います。
あらゆる学習(勉強)は
「手本(基礎知識)を真似る」ことから始まります。
「真似て身につける」ことは
十分に「暗記」の領域だと思います。
一体暗記の何を否定しているのでしょうか?
「う~ん、なるほど」
と、いくら理解しても、
そのことを暗記せず、
どのようにして問題を解くというのでしょうか?
このコラムは「暗記」を
「答えを覚える」ことと勘違いしているのかもしれません。
確かに「答えの暗記」はどの科目においても、
さほど役立つものではありません。
しかし、どのように問題にアプローチすべきかという「解法」は
ぜひとも暗記しておきたいものです。
「思考のヒントは解法の暗記にある」
と私は思います。
数学の問題文に「最大値・最小値」と書かれていれば、
「二次関数と相加・相乗平均を考える」
というようなことを暗記しておくことが重要なのです。
また、入試の融合問題などは、
「どの分野が絡んでいるか」
を考え、細分化することによって
解答へのアプローチを探していきます。
その際、基礎知識を暗記していなければ、
何も思いつくはずがありません。
受験生の皆さん、
「数学も暗記が基本」です。
「数学がわかりません」
という生徒ほど、ろくに公式すら覚えていません。
覚えるべきことを覚えれば、
必ず受験で合格点は取れます。
東大生のように入試で満点など目指す必要はありません。
「センス」などと言われたならば
努力の方向性を見失ってしまいます。
地道に基礎知識をインプットし、
標準問題や少し応用がかった問題に
その基礎知識をアウトプットする練習を行っていきましょう。
私は「ドラゴン桜」のように
「出来ないところから、いかに這い上がるか」
を追い求める姿が好きです。