福岡市西区の塾より「オンライン授業について」

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福岡市西区の塾より「オンライン授業について」

2020/06/07

読売新聞の「検証 再生への道」というコラム欄で、

「遠隔授業 環境整備が急務」

という見出しがありました。

 

新型コロナウイルスの感染拡大のため、

3月から5月末まで、

対面授業もオンライン授業も全く行われなかった学校の生徒の皆さんは、

「ずっとオンラインで先生の指導を受けていた人と、差がついているのでは」

と心配になるのは当然のことだと思います。

そして、新型コロナウイルス感染の第2波に備え、

早急に遠隔授業の体制を整えなければ、

学習の遅れは取り返しがつかなくなると叫ばれています。

 

確かに現在のような緊急時にはオンライン授業もやむ負えないと思いますが、

今後、平時においてもオンライン授業にシフトすることには懸念があります。

 

もし、本当にオンライン授業が、

生徒の皆さんにとって効果的であるとするならば、

一部の予備校や塾ではすでに行われて久しいので、

もっと多くの教育現場で、

授業のオンライン化が進んでいるはずです。

しかし、実際にはインターネットを使った通信教育が、

流行ってきてはいますが、爆発的ではありません。

 

予備校や塾で行われているオンライン授業の生徒側のメリットは、

自分のスケジュールに合わせた時間帯で、

自分に必要と思われる学習内容を、

豊富なコンテンツの中から選択することができることです。

つまり「自分の都合に合わせて学習できる利便性」が

最大のメリットと考えられます。

 

しかし、この利便性が落とし穴になります。

何事も安易に身につけたものは、

短時間で失われる危険性をはらんでいます。

長時間に渡り根気よく修得したものは、

その後決して自分を裏切りませんが、

楽をして得たもの程、猛烈なスピードで失われていきます。

簡単にできることの多くには、

価値はないのです。

 

また、オンラインを使った学習においては、

その学習内容を処理する責任が、

生徒に置かれることになります。

対面授業では、

生徒に学習内容を理解させることは教師の責任

生徒が出来ないことを、生徒のせいにするは

と、私は若い頃より耳に胼胝ができるほど、

何度も教わり続けました。

オンライン授業ではその責任の所在は生徒になってしまうのです。

 

真剣に説明を聞くか、居眠りしながら聞くか、

通常の時間帯を学習時間にあてるか、

それとも動画を早送りして短時間で終わらせるか、

メモを取るか取らないか、

などなどすべてにおいて生徒の責任になってしまうのです。

 

今回、オンライン授業を経験した学習支援塾の生徒に感想を聞くと、

「教室と違って自分の部屋なので、オンライン授業に入る前に気持ちを切り替え、集中することにとても疲れてしまう」

「初めは興味があたけれど、もう飽きました。やっぱり学校に行く方がいいです」

と言っていました。

 

私は学習支援塾を立ち上げる時に、

個別指導の形態も考えましたが、

個別指導は質問に対する解説が中心になるので、

教師が必要と考える受験指導を、

主体的に提供ることが出来ません。

そのため個別指導は、

ほんの一部の優秀な自主性に富んだ生徒にはこなせるかもしれませんが、

自分勝手にやりたいことだけをしがちな大多数の生徒には、

決して効果的ではないと考えました。

 

オンライン授業も同様だと思います。

超一流校に難なく合格する生徒にはこなせても、

やはり大多数の生徒には向いていない授業形態だと思います。

 

文部科学省に在籍する勉強が超得意だったエリート官僚には、

生徒の現実は理解されないのは分かりますが、

なぜ現場の先生たちはオンライン授業の弊害を、

もっと声高に主張しないのでしょうか?

 

最後に、

「なぜオンライン授業は増えてきているのか?」

と言うと、その答えは、

「教師が楽だから」

です。

何度も同じ授業を教室で繰り返す必要はなく、

一度録画すればおしまいです。

教室での生徒との真剣勝負もする必要はなく、

生徒の動向や態度にも気を配らなくてよいので、

教師からしてみれば、

これほど楽なことはありません。

出来ない生徒は何と言っても、

「自己責任」

ですから。

さらに、決して安くない設備投資費用は、

予備校や塾などの民間事業ならば、

保護者から授業料を通じて少しずつ確実に回収すれば済む話なのです。

「授業料無料」と同じで、

決して費用を企業側が負担することはありません。

そんなことをしたならば、事業は成り立たないからです。

「無料」には必ず裏があるのです。

 

私はやはりこれからも、

生徒と向き合っていきたいと思います。

 

 

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