毎日の学習内容を管理する
2024/05/18
1981年、カナダの心理学者アルバート・バンデューラらが、
7~10歳の算数が苦手な40人の子どもを3つのグループに分けて、
問題集42ページを7回に分けて行うという実験を行いました。
【Aグループ】1回ごとに最低6ページを必ずやってください。
【Bグループ】実験が終わる7回目までに42ページをすべて終わらせてください。
【Cグループ】目標を決めず、できるだけたくさん解いてください。
7回終了後に問題集をやりとげた割合は、次の通りです。
【Aグループ】 74%
【Bグループ】 55%
【Cグループ】 53%
つまり、最も達成率が高かったのは、
「毎日やるべき最低量」をきちんと割り振ったAグループでした。
学習支援塾でも、中学1・2年生には、毎週の最低限の自習ノルマとして、
大体「英数のプリントを各1枚ずつ、90分以上」として与えています。
しかし、これが実行できない場合が出てくるのです。
「90分過ぎたので帰ります」
と課題が終わっていないのに帰宅していく生徒、
中には課題未終了なのに60分で帰宅する生徒も出てきます。
「何をしたか」より「何分勉強したか」を気にしているのです。
難しいのが、これらの生徒に対する指導です。
「90分は頑張ろう」と指示すると、ただひたすら時間が過ぎるのを待っているだけですし、
「課題が終わるまで頑張ろう」と指示すると、答えを適当に書くか、
ひどいときは答えを写して、大きな丸をつけて、
「ハイ、終了1」ということも起こります。
だからと言って、答えを渡さなければ勉強になりません。
学力は答え合わせを行って、間違いを見つけ出し、
その間違いを修正することで高まるからです。
さすがに受験直前期には、このような生徒は存在しなくなるのですが、
中学1・2年生のうちは、なかなか難しい問題です。