福岡市西区の塾より「えっ？と思う勉強法」

世の中には「楽をして儲ける話」が度々出回ります。

しかし、そのような話はすべて詐欺まがいのものです。

一般の人が楽に儲けることができるならば、

とっくの昔から全ての人が取り組んでいるはずです。

知恵を絞りだし、汗水流して努力してこそ、

得たお金に価値が生じるのではないでしょうか？

 

勉強の世界でも同様な話は絶えず現れてきます。

私が中学生ぐらいの頃には、

「睡眠学習」というものが流行りました。

寝ているだけで成績が上がるという夢のような話でしたが、

やはり夢でした。

現在、「睡眠学習」など話題にもなりません。

 

先日、書店で見つけた本の内容にも驚きました。

その本の中には、

「天才と同じ方法で勉強をすれば、誰でも天才と同じ結果が手に入る」

と書かれているのです。

「前提が抜けているな」

と私は思います。

「天才と同じ脳力を持って…」

という部分が欠けているのです。

天才と同じ脳力で、同じ方法で勉強すれば、

同じ喧嘩が得られるかもしれません。

しかし、児童・生徒の大半は天才の脳力を持ち合わせていないのです。

 

さらにこの本の中では、

「天才になるために全力を尽くす。勉強は天才になってから始める」

とも書かれていました。

「天才になってから？」

と不思議に思いながら読み進めると、

天才とは瞬間記憶を会得している人のことだとわかりました。

「瞬間記憶」とはこの本で、

「教科書や参考書をパラパラ見ただけで覚える力」

のことだそうです。

なんと魅力的な夢のような言葉でしょうか？

パラパラ見ただけで、

教科書や参考書の内容がすべて記憶できるのです。

「ハァ？」

「何言ってんだろう」

と思いました。

そんなうまい話などあるわけありません。

実際、本の中には

「瞬間記憶を身につけるためには３か月のトレーニングが必要だ」

と書かれていますが、

「瞬間記憶」を身につけるための方法らしきものは

紹介されていますが、具体性に欠け、

科学的根拠も一切示されていませんでした。

「ちょっと意味がわからない」

という感じです。

 

この本は賛同できる部分もありましたが、

何度も首をかしげることになりました。

読み終えると久しぶりに損をした気にさせられました。

しかしながら、

「我以外皆我が師なり」

もちろんこの本でもしっかりと学ばせてもらいました。

 

私は長年、生徒を見続けて、

「努力は天才に勝る」

「努力は人を裏切らない」

ことが真実だと確信しています。

短期的に見ると報われないこともありますが、

長い目で見ると、

必ず大輪の花を咲かせています。

 

正しい勉強の仕方は確かに存在しますが、

それはとても地味なものです。

「学問に王道なし」

紀元前300年、今から2300年前に、

ユークリッドが唱えて以来、

この言葉は今も生き続けているのです。