2024年度公立高校推薦入試
2024/02/04
2月2日の新聞紙上に福岡県の
「2024年度公立高校推薦入試志願状況」が掲載されました。
平均志願倍率は1.5倍で前年度より0.12ポイント上昇しています。
これは推薦入試を実施する高校において、中学校長の推薦を必要としない
「特色化選抜」を導入する学校が増加したことが一つの要因と思われます。
(推薦入試の募集定員は、前年に比べ3.5ポイント減少しています)
しかし、このような状況の中、
推薦定員より志願者数が下回る学校・コースが
33.3%を占めていることは1つの問題になるかもしれません。
少子化が進む中、公立の教育行政は
適切な募集定員を各高校に求めるべきではないでしょうか。
また、もう一つの懸念は、
近年、大学受験においても様々な推薦系入試制度が増加していることです。
確かに受験生にとってみれば、受験機会の増加という恩恵があります。
しかしながら推薦系の進学を目指す受験生の中には、
1年生のころから志望校を定め、
日々努力を積み重ねている生徒も多数いますが、
「受験が早く終わる」
「受験勉強をしなくても済む」
「自分の本来の学力より上位の学校に進学できる」
ということなどから推薦系入試を希望する受験生が少なからずいるのも現状です。
安易に推薦系入試を求めると
本来、受験を通して身につけることができる
精神力や学力を損なうことになってしまいます。
受験本番で1点を争う戦いに臨むため、
努力を積み重ねる尊さを体験しないまま
受験などよりはるかに厳しい現代社会で
個人的にも社会的にも富をもたらす人材へと成長できるのでしょうか。
実際、「世界競争力年鑑」の総合順位では
63か国中、1989年は1位だった日本が
2022年には34位にまで低下しています。
恐ろしいほどの下落です。
「教育は100年の大計」と言われますが
今の日本は大丈夫なのでしょうか。
グローバル化が叫ばれて随分と年月が過ぎ、
現在の子どもたちは日本にとどまらず
世界の子どもたちと嫌でも競わなければならないのが現実です。
この厳しい現実に対して日本では
あまりにも子どもたちに対して無責任ではないでしょうか。
このままでは子どもたちが可哀そうです。
戦国時代、今川義元は家臣から人質であった子どもの徳川家康に対して
「どのように接すればよいでしょうか?」
と尋ねたところ、義元は
「むごい仕打ちをしろ」
と命じたそうです。
子どもである家康にどのよなひどい仕打ちをすればよいのかと
その内容を恐る恐る尋ねると義元は
「暑い時は涼しく、寒い時は暖かく、好きなものを食べさせ、欲しい物は何度も与えろ」
「そうすればたいがいダメな人間になる」
と命じたそうです。
戦国時代、1番困るのは優秀な武将が育つことです。
義元は家康を甘やかすことで成長を妨げようとしたので。
しかし、賢明だった家康は身を慎み、
天下統一を果たす大人物へと成長していくのです。
我々大人は何が本当に子どもたちにとって必要なのか
常に考えていく責務があるのです。
決して推薦入試合格を目指し頑張っている子どもたちに責任はありません。
多くの子どもたちは頑張っているのです。
仕組みを考える大人に責任があるのです。