福岡市西区の塾より「受験に必要な思考力」
2020/05/23
前回、「社会に必要な思考力」について記述しました。
今回は「受験に必要な思考力」について考えてみます。
大学受験において、
従来より行われていたセンター試験は、
いよいよ来年から共通テストへと変わっていきます。
この変化の意図するところは、
「各教科で学んだことを実際の社会生活で生かし、問題を解決する能力を持つこと」にあるようです。
そのため共通テストの文系科目においては、
様々な分野に関する文章を扱い、
複数の情報を与えて、
問題解決に必要な情報の取捨選択を行わせたり、
情報そのものの真偽を判断させて、
解答へ到達できるかを問う問題が出題されます。
また、数学においては、
今までにない新傾向の問題を作成し、
初見の問題に対してどのようにアプローチすれば、
問題を解決できるかを問う出題になりそうです。
つまり、今までの知識の詰込みではなく、
柔軟に対応する思考力を、
日々の学習で身につけさせようというメッセージが込められています。
確かにAI時代においては、
単なる知識の暗記ではAIに勝てず、
対応できないでしょうが、
実社会と受験では、
インターネットが使えるか使えないかという大前提が違います。
受験においてはインターネットに頼ることはできないので、
絶対的な知識量、
つまり問題解決の道筋を判断するために必要な知識量が無くてはなりません。
最近では「思考力」の重要性が度々叫ばれるため、
生徒・保護者の中には、
「知識よりも思考力が大切だ」
「思考力を鍛える勉強をしなければいけない」
と勘違いされている方もおられますが、
今こそ受験に必要な基礎力としての知識の記憶量増加と理解が必要になるのです。
初見の問題に出会ったとき、
この問題はどの分野、どの単元をベースにしているのか、
そして問題解決に必要な知識は何かを類推しなければ、
問題を解くことなど出来ません。
人は無から有を生み出すことは無理なのです。
頭の中にあるあらゆる知識を検索し、
どのように知識を結び付ければ良いかを考えなければならないのです。
元になる知識がなくどうやって思考するというのでしょうか?
受験生の中には気持ちが焦るあまり、
応用的な思考力演習に目が行きがちですが、
まずは基礎固め、知識の暗記と理解をしっかりと行って下さい。
受験生の皆さん、
花を咲かせる前に、根をしっかりと張り巡らせる勇気を持ちましょう。