福岡市西区の塾より「無知の知」
2020/05/08
古代ギリシアの大哲学者であるソクラテスは、
「自分は何も知らないことを知っている」
「故に何でも知っているふりをしている者よりも知恵がある」
と「無知の知」を唱えました。
人は時として、
「知らないことは愚かなこと」
「だから知らないことがバレないように隠そう」
としたり、逆に、
「私は何でも知っている」
と慢心し、学ぶことを忘れてしまう場合があります。
生徒の中にも
「何が分らないのかが、分からない」
と自暴自棄になる者がいますが、
「自分は何を知らないのか」
を知るためには、知らないことを見つけるための努力が必要になります。
「何が分らないのかが、わからない」
という生徒は自ら努力不足を表明しているようなもので、
実は恥ずかしいことなのです。
ですから、もし努力を積み重ね、
分らない説明や解けない問題が、
数多く見つかったのならば、
それは努力の証と言えるでしょう。
誇ることがあっても、
出来ないことを嘆く必要はありません。
分らないこと、出来ないことを、
一つ一つ地道に解決していけば良いのです。
ここで一つアドバイスがあります。
「人は短時間で高度なことが出来なければいけない」
とよく錯覚しています。
教科書を読めば、
もう入試問題が解けなければならないと勘違いするのです。
学問とはそんなに簡単なものではありません。
ましてや高校以上で学習する内容は、
高等教育内容であり、
義務教育内容とはレベルが格段に違うのです。
一度授業を聞いたから、
一度基本問題を解いたからといって、
入試問題がスラスラ解けるようになるのならば、
そもそも学校も塾も予備校も、
この世には存在しないでしょう。
何度トライしてもなかなかできない。
しかし、その逆境を乗り越えてこそ、
人生の勝利があるのです。
生徒の皆さん、
解けない問題に出会ったら喜んでください。
「ああ、この問題が出来るようになれば、また自分のレベルが上がる」
とワクワク感を持ち、
じっくりと取り組んでいきましょう。
この地道な作業を繰り返していくと、
やがて学習スピードが加速していきます。
自転車に乗るときも、
最初の一こぎが一番負荷がかかりますが、
しばらくするとスイスイと進むようになります。
短時間で楽に身につくものには大した価値はありません。
「一生懸命になれば、自分の非力がよく分かる」
「やればやるほど、知らないことが加速度的に増えてくる」
このような状態こそ努力の証です。
胸を張って、前進し続けてください。