立ち上がる強さ(福岡市西区学習支援塾)
2020/03/14
先日「子は親の鏡」ということについて述べましたが、
さらに保護者の方々に気を付けて頂きたい点があります。
それは
「テストなどの結果で『頭がいい』と能力を褒めるのではなく、その結果に至る過程をしっかりと観察して努力を褒めて欲しい」
ということです。
実際に灘、開成、久留米附設、ラ・サール高校などから東京大学に進学した生徒を、
数多く指導してきましたが、
一度授業を受けたらすべてを瞬時に理解し、
以後そのことを忘れることなく、
他の事柄にもその学習内容を応用できる、
まさに天才のような生徒に出会ったことはありません。
(世界にはこのような人はいくらでもいるようですが…)
今までに出会ったすべての生徒は、
努力で学力を高め、志望校に合格していったのです。
持って生まれた能力だけでなく、
その能力を伸ばすための努力に、
保護者の方々は目を向けて頂きたいのです。
最近では「褒めて育てる」ということがブームになっていますが、
何を褒めるかが重要であることを見逃してはいけません。
脳科学者の中野信子氏が、
「空気を読む脳」の中に書かれていることを紹介します。
◎「頭がいい」と褒められた子どもは、自分は頑張らなくてもできるはずだと思うようになり、必要な努力をしようとしなくなる。
◎「本当の自分は『頭がいい』わけではないが、周囲には『頭がいい』と思わせなければならない」と思い込む。
◎「頭がいい」という評価から得られるメリットを維持するため、ウソをつくことに抵抗がなくなる。
というような弊害が指摘されています。
逆に、結果が悪かったとしても、
子どもが十分に努力した結果であれば、
その結果を受け入れ、その努力をしっかりと褒めてあげることで、
その子にはプラスの効果を与えることができるでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大で不透明になっていますが、
今年は東京オリンピックの年です。
私はいつも思うのですが、
マスコミや世間の関心は、
メダルを取った選手に集中し過ぎていると感じます。
たとえメダルには届かなかったとしても、
4年に一度の大舞台に照準を定め、
徹底した自己管理、トレーニングを選手は行ってきているのです。
陸上や水泳選手などがこの大舞台で、
自己新記録を更新したのであれば、
その結果は賞賛に値すると思うのです。
将来子どもたちが出ていく実社会では、
そう簡単に能力だけで、成功ばかりを納めることはできないでしょう。
そんなに甘くない、厳しい社会だと、
保護者の方々が一番知っていることではないでしょうか?
保護者の皆さん、
大切なことは、子どもが失敗しないように導くのではなく、
何度失敗したとしても立ち上がる強さを、
身につけさせることなのです。
「褒めて育てる」
大いに結構なことです。
しかし、「何を褒めるべきか」は慎重でなければなりません。
「努力のよろこび」というものがわかりだしたわ。
一生懸命にやって
勝つことのつぎにいいことは、
一生懸命にやって
落ちることなのよ。
(赤毛のアンより)