ついに年が明けました。

中学3年生、高校3年生にとっては、

いよいよ勝負の年です。

 

さて、受験生の皆さんは、

「入試が待ち遠しいですか？」

それとも

「もっと時間があれば」

と嘆いていますか？

 

しかし、いずれにせよ試験日は確実に近づいてくるだけです。

以前、修猷館高校の入試に引率・応援で出向いたときの思い出話ですが、

試験が始まる前に、中庭で生徒全員を集め、激励の話をしていたときのことです。

私は、

「今日までお前たちは最高の準備をしてきた。何も恐れず自分の力を惜しみなく発揮してこい。必ず、良い結果が待っている」

と生徒たちに話していました。

すると、一人の生徒の顔がみるみるうちに青ざめていくのがわかりました。

生徒を解散させ、校舎へ入るように指示した後で、その生徒をそっと呼んで、

「どうしたのか？」

と声をかけました。

すると、

「先生は、さっき最高の準備をしてきたと言いましたが、私は出来ていません。もっと頑張ればよかったと怖くなってきました」

と悲しそうに応えるのです。

私は必死に、

「大丈夫！しっかりと努力してきたことは先生がちゃんと知っている。何も恐れず思いっきりぶつかってこい」

と励まし、校舎へと連れて行きました。

幸いにも合格してくれたので事なきを得ましたが、まさに冷や汗もの。

 

生徒によっては、景気づけの話であっても裏目に出ることがあるのだと学びました。

それ以後は、入試直前に

「最高の準備をしてきた」

とは言わず、入試日の前より

「試験が終わって門を出る時、『悔いなし』と思える最高の準備を日々行え。受験の合否は最後の最後には、努力でなく執念で決まる」

と訴えています。

 

受験生の皆さん、まだまだ間に合います。

学力は試験の一日前でも伸びるのです。

もうこれ以上は出来ないという心を込めた最高の準備を、

入試直前まで歯を食いしばって行っていきましょう。

そして、平成最後の年を思い出にはっきりと残る年にしていきましょう。

 

人間の運命は

人間の手中にある。

（サルトル　フランスの哲学者）

 

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