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むごい仕打ち

2016/02/07

「この子の人生はこの子のものだから」「本人にやる気がなければしょうがない」「痛い目に遭うまで待つしかない」

これらの言葉はいくら言っても変わらない我が子に対して、親が根負けしたときに使うフレーズで、以後は子どもの好きにさせます。

あるいは、「親として、してあげられることは何でもします」も、一見物わかりの良い親の言葉のように感じますが、むやみやたらに子どもの意思を尊重することは、思考停止と同じで、子どものためにはなりません。

いずれにしても子どもを健全に成長させるうえで障害となるものです。

 

戦国時代、徳川家康が幼少の頃、今川義元の人質になったとき、義元の家臣が「この子(家康)をどのように扱えばよいでしょうか?」と尋ねると、義元は「この子にはむごい仕打ちをしてやれ!」と答えました。家臣は義元の真意を汲みかねて、「むごい仕打ちとはどのようなことでしょうか?」と、恐る恐る尋ね返したところ、「寒いときには温かく、暑いときには涼しく、欲しいものは何でも与えてやれ。そうすれば必ず駄目な人間になる」と答えました。

いずれは戦国武将としてライバルとなるかもしれない存在を、子どもの頃から潰しておこうという義元の策謀だったのです。

しかし、家康も家康の家臣も賢かったので、甘え育つことなく、質素倹約に努め、江戸幕府を開くまでの偉人へと成長していくのです。

 

保護者の皆さん、我が子に「むごい仕打ち」をしていませんか?ちょっと弁のたつ道理と原理に適っていない自己主張を、聞き入れて自由気ままにさせていませんか?社会に出たとき、そんな癖が染みついていて、活躍できますか?

 

大河ドラマの「八重の桜」で度々使われていたセリフに「ならぬものはならぬ」がありました。

親は時に、「子どもの前に立ちはだかる高く厚い壁」となり、正しい方向へと導く存在であって欲しいと思います。

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